2026年版・3-1

法律と契約の一問一答

秘書検定2級「一般知識」から、法律と契約に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-1

契約は原則として、当事者間のどのような行為で成立するか。

  • 当事者同士の「申込み」と「承諾」の意思表示が合致した時
  • 契約内容を記した書面を作成し、双方が実印を捺印した時
  • 契約金額の一部として、手付金等の金銭が実際に支払われた時
  • 契約の履行が開始され、商品やサービスの提供が始まった時
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正解 当事者同士の「申込み」と「承諾」の意思表示が合致した時
解説
日本の民法では、「買います」「売ります」という意思が合致すれば、口約束だけでも契約は成立します(諾成契約)。契約書や押印は、あくまで「言った言わない」のトラブルを防ぐための証拠に過ぎません。ただし、保証契約など一部の例外は書面が必須です。

他の選択肢が不適切な理由
書面を作って実印を押した時に初めて成り立つという説明は、書面や押印が後の争いに備えた証拠であるという役割を、成立の要件と取り違えたものです。手付金が支払われた時という説明も、金銭の授受は約束を確かなものにする手立てであって、約束そのものの成立とは別です。商品の提供が始まった時とすると、始まる前に交わされた約束に何の拘束力もないことになってしまいます。
問23-1

収入印紙を貼る必要がある文書に印紙を貼らなかった場合、契約の効力はどうなるか。

  • 印紙税法違反として、本来の印紙代の3倍の過怠税が課されるが、契約自体は有効である
  • 脱税行為とみなされるため、契約そのものが無効となり、最初からなかったことになる
  • 印紙を貼るまで契約の効力は保留されたままとなり、期限を過ぎると自動的に破棄される
  • 印紙を貼らなくても契約は有効であり、これといった罰則やペナルティも存在しない
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正解 印紙税法違反として、本来の印紙代の3倍の過怠税が課されるが、契約自体は有効である
解説
印紙税法違反(税金の問題)と、契約の有効性(民法上の問題)は全く別の話です。印紙がなくても契約自体は有効ですが、税務調査等で発覚した場合、本来の印紙代+2倍のペナルティ=合計3倍の過怠税を徴収される重い罰則があります。

他の選択肢が不適切な理由
税の取り扱いを誤ったからといって、当事者どうしの約束そのものが最初からなかったことになるわけではありません。貼るまで効力が保留され、期限が過ぎれば自動で破棄されるという仕組みも定められておらず、約束の効力は貼ったかどうかに左右されません。罰則がまったくないという理解も誤りで、納めていないことが分かれば、本来の額を上回る負担を求められます。
問33-1

クーリング・オフ制度が適用できる取引はどれか。

  • 訪問販売や電話勧誘販売など、不意打ち的に契約させられた取引
  • 通信販売のカタログ等を見て、自ら注文して購入した商品
  • 家電量販店などに自ら出向き、店員の説明を聞いて購入した商品
  • コンビニ等で支払った、3000円未満の日常的な現金取引
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正解 訪問販売や電話勧誘販売など、不意打ち的に契約させられた取引
解説
クーリング・オフは、冷静な判断ができない状態で契約してしまった消費者を守り、一定期間なら無条件で解約できる制度です。自ら店に出向いたり、カタログを見て注文したりする(通信販売)場合は、冷静に考える時間があるため、法律上のクーリング・オフ権は適用されません(返品特約に従う)。

他の選択肢が不適切な理由
カタログや画面を見て自ら注文する取引は、申し込む前に落ち着いて考える時間があるため、この制度の対象からは外れ、返品の可否は売り手が定める条件によります。自ら店に出向いて説明を聞いて買う場合も同じで、不意を突かれた契約とはいえません。日常の少額の現金取引も、その場で品物と代金を交換して終わるものであり、後から白紙に戻す仕組みは想定されていません。
問43-1

製造物責任法(PL法)において、メーカーが責任を負うのはどのような場合か。

  • 製品の「欠陥」により、消費者の生命・身体・財産に大きな損害が生じた場合
  • メーカー側に、製造上の明らかな「故意」や「過失」があったことが証明された場合
  • 製品が経年劣化によりさらに古くなり、購入時より性能が著しく落ちた場合
  • 消費者が説明書を読まず、誤った使い方(異常使用)をして怪我をした場合
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正解 製品の「欠陥」により、消費者の生命・身体・財産に大きな損害が生じた場合
解説
かつては消費者がメーカーの「過失(不注意)」を証明しないと賠償されず、泣き寝入りが多発しました。PL法により、被害者は「製品に欠陥があったこと」さえ証明すれば、メーカーに過失がなくても(無過失責任)、損害賠償を請求できるようになりました。

※記述問題での出題注意:PL法の正式名称「製造物責任法」は漢字で書けるようにしておきましょう。

他の選択肢が不適切な理由
作った側の落ち度を証明できた場合に限るという説明は、この法律ができる前の考え方であり、被害を受けた人の負担を軽くするという趣旨と逆になります。年月がたって性能が落ちることは、通常の使用に伴う消耗であって、初めから備わっていた欠点とは区別されます。説明書に反する使い方で怪我をした場合も、その使い方が原因であれば、作った側の責任は問いにくくなります。
問53-1

労働基準法における法定労働時間は原則としてどう定められているか。

  • 原則として、1日8時間、および週40時間まで
  • 原則として、1日10時間、および週50時間まで
  • 原則として、1日7時間、および週35時間まで
  • 特に法律による制限はなく、労使間の合意があれば無制限
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正解 原則として、1日8時間、および週40時間まで
解説
これを「法定労働時間」と呼びます。これを超えて働かせる(残業させる)場合や、休日に働かせる場合は、労使協定(いわゆる36協定)を締結し、労働基準監督署に届け出た上で、割増賃金を支払う法的義務があります。

他の選択肢が不適切な理由
一日十時間や週五十時間という数字は、法律が定める上限より緩く、これを基準にすると割増賃金や届け出が必要な時間外労働を、時間外と数えないことになってしまいます。一日七時間や週三十五時間という数字は、会社が独自に短く定めている所定の時間であって、法律上の上限そのものではありません。労使が合意すれば無制限に働かせてよいという理解も誤りで、上限を超えるには定められた手続きが要ります。
問63-1

著作権の保護期間は、原則として著作者の死後何年か(現在の日本)。

  • 原則として、著作者の死後70年を経過するまで
  • 原則として、著作者の死後50年を経過するまで
  • 原則として、著作物が公表されてから50年を経過するまで
  • 著作者の生存中のみ保護され、死後は即座にフリー素材となる
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正解 原則として、著作者の死後70年を経過するまで
解説
かつての日本の著作権法では「死後50年」でしたが、TPP11協定の発効に伴い、2018年末から「死後70年」に延長されました(映画等の団体著作物は公表後70年)。これにより、古い文学作品やキャラクターの著作権切れ(パブリックドメイン化)が先送りされました。

他の選択肢が不適切な理由
死後五十年という年数は以前の日本の定めで、その後の国際的な取り決めの発効に伴って延ばされました。公表から五十年という数え方は、団体の名義で世に出た著作物などに用いられる別の数え方であり、年数も現在の定めとは異なります。生きている間だけ守られ、亡くなればすぐ自由に使えるという理解も誤りで、遺族が受け継ぐ権利が長く残ります。
問73-1

内容証明郵便とはどのような効果を持つ郵便か。

  • いつ、誰が、誰に、どんな内容の文書を送ったかを郵便局が公的に証明してくれる
  • 手紙に書かれている内容が真実であることを、郵便局側が裏付けてくれる
  • 通常の速達郵便よりも優先的に処理されて、確実に翌日届くことを保証してくれる
  • 相手が必ず返事をくれるように、郵便局が法的な拘束力を持って催促してくれる
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正解 いつ、誰が、誰に、どんな内容の文書を送ったかを郵便局が公的に証明してくれる
解説
「そんな手紙は受け取っていない」「封筒の中身は白紙だった」という言い逃れを防ぐための特殊な郵便です。クーリング・オフの通知や債権回収の督促など、後日裁判になった際に「言った・言わない」を防ぐ強力な証拠となります。なお、内容の「真実性」を証明するものではありません。

他の選択肢が不適切な理由
書かれている内容が真実であることまで郵便局が裏付けるわけではなく、証明されるのは、いつ誰から誰へどのような文面が差し出されたかという事実に限られます。翌日に必ず届くことを保証する仕組みでもなく、速さを求めるなら別の扱いを併せて頼む必要があります。相手に返事をさせる力もなく、届いた後にどう応じるかは受け取った側の判断に委ねられます。
問83-1

手形要件の一つである「裏書(うらがき)」とは何か。

  • 手形の権利を他人に譲渡するために、裏面に署名や捺印をすること
  • 手形の支払いを保証するため、第三者が連帯保証人としてサインすること
  • 手形の金額を後から書き換えるために、白紙の状態で渡すこと
  • 手形を銀行に預けて現金化するために、裏面に自分の口座番号を書くこと
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正解 手形の権利を他人に譲渡するために、裏面に署名や捺印をすること
解説
手形は現金代わり流通させることができます。手形を受け取った人(所持人)が、支払期日前にその手形を第三者に譲渡して仕入れ代金等の支払いに充てる際、裏面に「この手形の権利をあなたに譲ります」という意思表示として署名捺印を行います。これを「裏書譲渡」と呼びます。

他の選択肢が不適切な理由
第三者が支払いを保証するために署名する行為は別の名で呼ばれるもので、権利を他人へ移すことを目的とした行為とは異なります。金額を後から書き換えるために白紙のまま渡すのは、不当に高い額を書き込まれる危険が極めて大きい扱いであり、譲渡の手続きとは関係がありません。自分の口座番号を書くという説明も、銀行に取立てを頼む際の事務と混同したものです。
問93-1

公正証書とは誰が作成する文書か。

  • 公証役場の公証人(元裁判官など)が作成する、法的な効力を持つ公文書
  • 依頼を受けた弁護士が、当事者側の代理人としてのみ作成する私的な契約書
  • 裁判所の裁判官が、裁判における判決の結果として作成する公的な判決文
  • 警察署の警察官が、発生した事件についての捜査結果をまとめた捜査報告書
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正解 公証役場の公証人(元裁判官など)が作成する、法的な効力を持つ公文書
解説
元裁判官や元検察官などの法律実務家(公証人)が作成する公文書です。非常に高い証明力を持ち、契約書に「強制執行認諾条項」を入れておけば、金銭の不払いがあった時に裁判を経ずにいきなり相手の財産を差し押さえることができます。遺言や離婚協議書などでも使われます。

他の選択肢が不適切な理由
弁護士が当事者の代理として作る契約書は、あくまで当事者の間で交わす私的な書面であり、公の立場の者が作る文書とは効力が異なります。裁判官が作る判決文は、争いについて裁判所が示した判断であって、当事者の合意を書き留めたものではありません。警察がまとめる捜査の報告も、事件を調べた記録であり、契約や遺言の内容を確かなものにするための文書ではありません。
問103-1

取適法(中小受託取引適正化法。2026年1月の法改正で「下請法」から改称)で禁止されている委託事業者の行為はどれか。

  • 受領拒否、支払遅延、不当な買いたたき、不当な返品などの優越的地位の濫用
  • 中小受託事業者を保護するため、発注額に一定の最低下限額を設けないこと
  • 中小受託事業者に対し、他の委託事業者との取引を禁止して独占すること
  • 発注内容や金額を明確にするため、発注書を必ず書面やデータで交付すること
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正解 受領拒否、支払遅延、不当な買いたたき、不当な返品などの優越的地位の濫用
解説
立場が強い委託事業者(発注側)が、弱い中小受託事業者に対して無理を強いることを防ぐ法律です。「注文したのに受け取らない」「代金を期日までに払わない」「理由なく返品する」「相場より不当に安く買い叩く」といった行為は、中小受託事業者の経営を圧迫するため厳しく禁止されています。この法律は、旧来「下請法(下請代金支払遅延等防止法)」と呼ばれていましたが、2026年1月の改正により「取適法(中小受託取引適正化法)」へ改称され、「親事業者」「下請事業者」という用語もそれぞれ「委託事業者」「中小受託事業者」に改められました。

他の選択肢が不適切な理由
発注額に下限を設けないことは、そもそもこの法律が定めている事柄ではなく、禁じられた行為として並べられているものでもありません。他の発注者との取引を禁じて囲い込む行為は、取引の制限として別の枠組みで問題になり得るものであり、この法律が中心に据える代金の支払いや受領をめぐる取扱いとは性質が異なります。発注の内容や金額を書面などで交付することは、むしろ発注する側に課された義務です。

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