2026年版・2-2

会社組織と経営の一問一答

秘書検定2級「職務知識」から、会社組織と経営に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-2

株式会社において、株主の責任は「有限責任」である。これはどういう意味か。

  • 会社が倒産した場合、借金に対して個人の全財産で責任を負わなければならない
  • 出資した金額の範囲内でのみ責任を負い、それ以上の追加請求はされない
  • 会社の経営に関して一切の責任を負わず、利益が出た時だけ配当をもらえる
  • 経営者と連帯保証人になり、同じ重い責任を期限付きで負うことになる
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正解 出資した金額の範囲内でのみ責任を負い、それ以上の追加請求はされない
解説
株主は会社にお金を出資しますが、万が一会社が倒産しても、出したお金(株式の価値)がゼロになるだけで済みます。個人の貯金や家まで差し押さえられることはありません。この仕組み(有限責任)があるからこそ、多くの人が安心して株式投資を行い、企業は巨額の資金を集めることができます。

他の選択肢が不適切な理由
倒産の際に個人の全財産で借金を負うのは、無限に責任を負う形の出資者に当てはまる説明であり、株式を持つ人には当てはまりません。責任をまったく負わずに配当だけを受け取るという説明も違い、出したお金が戻らないという形で損失は負います。経営者と連帯して保証する立場になるのは、別に保証の契約を結んだ場合の話であって、株式を持つことから当然に生じるものではありません。
問22-2

会社の組織図で「ライン部門」とは何を指すか。

  • 総務や人事、経理など、会社全体を裏から支えているバックオフィスの管理部門
  • 労働組合や社内サークル活動など、社員の自主的な活動を運営していく部門
  • 社員食堂や保養所を管理・運営しており、社員の健康を保つ福利厚生部門
  • 製造や営業など、会社の本来の目的を遂行し、直接的な利益を生み出す実働部門
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正解 製造や営業など、会社の本来の目的を遂行し、直接的な利益を生み出す実働部門
解説
組織は大きく「ライン」と「スタッフ」に分かれます。「ライン部門」はモノを作って売るなど、直接利益を稼ぐ指揮命令系統の中心です。一方、秘書、人事、総務などは、ラインが働きやすいよう専門的な支援を行う「スタッフ部門」に分類されます。秘書検定ではこの対比が頻出です。

他の選択肢が不適切な理由
総務や人事、経理は、現場が働きやすいように専門の立場から支える側であり、直接もうけを生み出す流れの中には置かれません。労働組合や社内の同好会は、会社の指揮命令の系統そのものに含まれる組織ではありません。社員食堂や保養所を運営する部門も、働く人の暮らしを支える役目であって、商品を作り売るという会社本来の目的を直接担うものではありません。
問32-2

企業の合併・買収を指す言葉として、最も適切なものはどれか。

  • M&A(Mergers and Acquisitions)の略
  • CSR (Corporate Social Responsibility)
  • OJT (On the Job Training)(実地研修)
  • CEO (Chief Executive Officer)など
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正解 M&A(Mergers and Acquisitions)の略
解説
Mergers(合併)とAcquisitions(買収)の略です。企業の成長時間を短縮したり、弱点を補強したりするための経営戦略です。近年は「友好的買収」だけでなく、相手の同意を得ない「敵対的買収」や、事業承継のためのM&Aも増えており、ビジネスニュースの常連用語です。

他の選択肢が不適切な理由
社会的責任を表す語は、環境や地域への配慮など会社が社会に対して果たす務めを指し、会社どうしの売買とは関わりません。実地の研修を表す語は、職場の中で仕事をしながら人を育てる方法のことです。最高経営責任者を表す語は役職の呼び名であり、企業の結合そのものを指す言葉ではありません。いずれも略語の見た目が似ているだけで、意味の分野がまったく異なります。
問42-2

コンプライアンス経営において重視される「コーポレートガバナンス」とは何か。

  • テレビCMやSNSを大々的に活用していく、企業の広告宣伝戦略のこと
  • 企業統治(経営者の暴走を防ぎ、透明で公正な経営を行うための監視の仕組み)
  • 従業員の福利厚生をより充実させ、残業を減らして働きやすい環境を作ること
  • 自然環境を保護するために、植林活動やゴミ拾いなどを継続的に行っていくこと
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正解 企業統治(経営者の暴走を防ぎ、透明で公正な経営を行うための監視の仕組み)
解説
会社は誰のものか?という問いに対し、「株主やステークホルダー(利害関係者)のものである」という観点から、経営者が私利私欲に走ったり不正を行ったりしないよう監視・監督するシステムのことを指します。社外取締役の設置や内部通報制度の整備などが具体的な施策です。

他の選択肢が不適切な理由
広告や宣伝の進め方は、商品をどう知ってもらうかという話であり、経営を見張る仕組みとは別のものです。福利厚生を整えて働きやすくすることは大切ですが、経営者の行き過ぎを防ぐ役割までは果たしません。植林やごみ拾いといった活動も、会社が社会に対して果たす務めの一部ではあっても、社外の取締役を置くなどして経営を監視する仕組みそのものを表す言葉ではありません。
問52-2

決算において「黒字倒産」とはどのような状態か。

  • 赤字が続き、どうしても借金が返せなくなり、最終的には通常の倒産をすること
  • 借金がゼロで無借金経営だったのに、社長が急死して突然倒産すること
  • 決算書の文字をすべて黒色のインクで書いて税務署に提出すること
  • 帳簿上は利益が出ているが、資金繰りが悪化して手元の現金が尽き倒産すること
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正解 帳簿上は利益が出ているが、資金繰りが悪化して手元の現金が尽き倒産すること
解説
売上が上がっても、代金の入金(回収)が数ヶ月先になることはよくあります。その間に、仕入れ代金や給料の支払日が来てしまい、手元の現金が足りなくなると、会社は手形を落とせず(不渡り)倒産します。「勘定合って銭足らず」という言葉がある通り、キャッシュフロー(現金)管理の重要性を示す言葉です。

他の選択肢が不適切な理由
赤字が続いて借金を返せなくなるのは、ごく普通の行き詰まりであり、この語がわざわざ利益が出ていると断っている意味が失われます。無借金の会社で経営者が急に亡くなった場合の混乱も、手元の現金が尽きるという仕組みとは別の話です。決算書を黒い字で書くという説明は、帳簿の色に由来する言い回しを字義どおりに受け取ったもので、資金繰りという中身にまったく触れていません。
問62-2

株式会社の監査役の主な役割として、正しいものはどれか。

  • 会社の掃除や備品の補充を毎日行っており、オフィス環境を清潔に保つこと
  • 株主総会に来た株主にお茶を出し、クレームが出ないよう丁重に接待すること
  • 取締役の職務執行が適正に行われているかどうかを独立した立場で監査すること
  • 営業活動の最前線に立ちながら、会社の売上目標の達成に直接的に貢献すること
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正解 取締役の職務執行が適正に行われているかどうかを独立した立場で監査すること
解説
監査役は、株主の代わりに経営者(取締役)を見張るガードマンです。会社の数字に嘘がないか(会計監査)だけでなく、取締役が法律や定款に違反する行為をしていないか(業務監査)をチェックする強い権限を持ちます。そのため、取締役会への出席義務もあります。

他の選択肢が不適切な理由
掃除や備品の補充は庶務の仕事であり、法律で定められた役員の職務とは異なります。株主総会で来場者をもてなすのは当日の運営の一部にすぎず、経営を確かめるという権限とは関わりません。営業の最前線に立って売上に貢献するのは業務を執り行う側の働きであり、その側に加われば、同じ立場から独立して確かめるという役目そのものが果たせなくなります。
問72-2

定款(ていかん)とは何か。最も適切な説明を選べ。

  • 会社の入り口に掲げられている、社長の座右の銘が書かれた立派な看板
  • 会社の憲法とも言える、設立時に必ず定める最も基本的な規則
  • 定年退職の年齢や退職金の計算方法について定めた人事規定の一部
  • 社員食堂のメニューや出張旅費について定めた細かな生活規定
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正解 会社の憲法とも言える、設立時に必ず定める最も基本的な規則
解説
会社を設立する際に発起人が必ず作成し、公証人の認証を受けなければならない根本規則です。商号(社名)、事業目的、本店所在地、発行可能株式総数など、その会社の「骨格」が記されています。定款を変更するには、株主総会の特別決議という厳しいハードルを越える必要があります。

他の選択肢が不適切な理由
入り口に掲げる看板は会社の考えを示す掲示であって、公の手続きを経て効力を持つ文書ではありません。定年や退職金の定めは働く条件に関する規則の一部であり、会社の骨格そのものを示すものではありません。食堂の献立や出張の費用に関する取り決めも、日々の運用のための細かな決まりであって、設立の際に必ず作らなければならない基本の規則には当たりません。
問82-2

上場企業が事業年度ごとに開示を義務付けられている法定の報告書は。(※2024年法改正対応)

  • 家計簿のように毎日のお金の出入りを記録した出納帳
  • 投資家への情報開示を目的として作成される有価証券報告書
  • 社員が日々の業務内容や反省点を上司に報告するための業務日報
  • 社内で新しい備品の購入や契約の伺いを立てるための稟議書
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正解 投資家への情報開示を目的として作成される有価証券報告書
解説
投資家が正しい判断を行えるよう、金融商品取引法に基づき、上場企業には経営内容や財務状況の開示(ディスクロージャー)が義務付けられています。※以前は「四半期報告書」の提出も必須とされていましたが、2024年4月の法改正により第1・第3四半期の提出は廃止され、「決算短信」等に一本化されました。秘書検定でも最新の時事として注意が必要です。

他の選択肢が不適切な理由
日々の現金の出入りを書き留める帳簿は社内で用いる記録であり、投資をする人に向けて広く公にするものではありません。業務日報も社内で仕事の進み具合を伝えるための書面で、法律によって提出が義務づけられているものではありません。稟議書は案件ごとに承認を求める書面であり、一年の経営や財務の状況をまとめて外部へ開示するという役割とはまったく異なります。
問92-2

CSR(企業の社会的責任)活動の一環として、明らかに不適切なものはどれか。

  • 法令を遵守し、倫理的な企業活動を行うこと(コンプライアンス)
  • 環境保護や省エネなどに取り組み、地球環境への負荷を減らすこと
  • 粉飾決算を行って利益を多く見せかけ、自社の株価を吊り上げること
  • 地域社会のイベントに参加したり、災害時に寄付を行ったりして貢献すること
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正解 粉飾決算を行って利益を多く見せかけ、自社の株価を吊り上げること
解説
粉飾決算は犯罪であり、投資家や社会を欺く背信行為です。CSR(Corporate Social Responsibility)は、利益追求だけでなく、社会の一員としての責任(納税、雇用、環境保護など)を果たすことを指します。不正のない透明な経営こそが、CSRの第一歩(基盤)となります。

他の選択肢が不適切な理由
残る三つは、いずれも社会的責任の取り組みとして広く行われている例であり、この設問で選ぶべきものには当たりません。法令を守り倫理にかなった活動を行うことは、その土台となる最も基本的な務めです。環境への負荷を減らす取り組みは、事業を続けるうえで社会から強く求められる責任として定着しています。地域の催しへの参加や被災地への寄付も、会社が社会の一員として果たす貢献の代表例です。
問102-2

稟議(りんぎ)制度のメリットとして、最も正しい記述はどれか。

  • 誰が決定したのか責任の所在が不明確になり、失敗した時に責任逃れができる
  • 事前に関係者全員の合意形成がしっかりでき、決定後の実施がスムーズになる
  • 書類が回るまでに非常に時間がかかり、変化の激しいビジネスチャンスを逃しやすい
  • 大量の紙を使用しハンコを押すため、資源の無駄遣いになり環境に悪い
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正解 事前に関係者全員の合意形成がしっかりでき、決定後の実施がスムーズになる
解説
稟議書を回覧してハンコ(承認)を集める日本独特のシステムです。「スピードが遅い(デメリット)」という側面もありますが、事前に現場から役員まで関係者全員が内容を確認し承認しているため、いざ決まった後は「聞いてない」という反対が起きず、組織全体が一丸となって動けるという強力なメリットがあります。

他の選択肢が不適切な理由
責任の所在があいまいになるという点と、書面が回りきるまでに時間がかかって機会を逃しやすいという点は、いずれもこの仕組みの弱点として指摘されるところであり、利点を問われた場合の答えにはなりません。紙とはんこを多く使うという指摘も、電子的な承認への置き換えが進んでいる背景にある課題の話であって、この仕組みが組織にもたらす良さを説明するものではありません。

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